日産化学工業(4021)。2017年新春号。

数少ない、日本の成長する化学会社。
四季報によると、化学品や機能性材料のほか、農薬や医薬品原料などを製造・販売する化学会社です。
日本の化学メーカーとしては珍しく、利益率がかなり高いです。そして、毎年毎年、売上と利益を成長させています。財務も良好です。
多くの日本の化学メーカーは、景気循環に沿って売上や利益が変動し、利益率は低く、借金が多い傾向があります。これら利益が出にくい他社に比べ、当社は優良銘柄と言えるでしょう。投資を検討したい銘柄ですが、今はPERが20倍台半ばなので、高い印象があります。景気が悪くなった時期に買っておきたい銘柄です。
業績や株価の推移
この5年間も着実に成長しています。(単位は100万円)
売上高 | 純利益 | 1株利益 | |
---|---|---|---|
12.3 | 148578 | 10975 | 64.5 |
13.3 | 153806 | 13879 | 83.7 |
14.3 | 163658 | 16701 | 102.1 |
15.3 | 171206 | 18199 | 114.0 |
16.3 | 176894 | 22350 | 143.4 |
次に、株価のチャートです。記事冒頭のチャートは過去30年のもので、下のチャートは過去10年のものです。
チャートを見てまず感じるのは、2012年からの素直な上昇トレンドです。2012年の半ばを起点に、きれいにほぼ一直線に、約4年半上昇を続けています。これは業績の伸びを評価して、素直に利益が伸びるように株価も上がっている感じです。
過去30年間の株価の動きを見ると、1990年付近でピークがあったりしますが、今から振り返ると小さい山です。これはバブル期の高騰ではなく、その後の会社の成長が表れた結果でしょう。
やはり、ITバブルの頃や、サブプライムローンバブルの頃にもピークはあります。それでも、今の株価の方がずっと高いです。ですから、長期投資に適した会社かと思われます。
ひとつ注意したいのは、さすがに直近の株価の上昇には疲れが見えるので、今からの投資には慎重になった方が良さそうです。むしろ株式市場の暴落や景気後退局面を待ち、そのあとでじっくりと買いを検討したい銘柄です。
投資は自己責任でお願いいたします。